私的見解。とうもろこしの時間経過と糖度変化について科学してみました。さわやかグリーンセンター,JA佐久浅間 JAファーム佐久店内農産物直売所訪問記(長野県佐久市)

001訪問記録, 02JA系列・民間直売所・道の駅, 04北陸・甲信越, 郷土・特産品｜2015/08/12 posted.

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　イオンモール佐久の拡張場所を訪問した後は、
・2015/08/08イオンモール佐久平拡張(part2)
某所で所用を済ませ、近隣にあるJAファーム佐久へ。

ホームセンター的印象の売場の横に設置された直売所が目的地。
直売所としては小規模ながら地域の特産品を確認するにはJAの直売所が最適。
民間直売所だと、地域の産品だと思って購入してもハッケージだけが地域名称だったり、産直風市場流通品だったりと結構、まぎらわしい商品が混在するが、その点、JAの直売所は自社調達品は産直品と区別して販売しているので安心して買物ができます。
尚且つ、大きな安心感としては直売所に持ち込まれる野菜についてJAがきっちりと栽培歴を管理していること。いつも思うのですが、スーパーマーケットや民間の産直売場的直売所の生産物はどうやってトレサビリティに対応しているのかイマイチ不安。その点、栽培暦をきっちりと確認している(と、思われる)JAの直売所は安心。
いつも言うことですが、農薬にせよ、化学肥料にせよ、食彩品館.jpとしては「使っていること」に対してはこだわっていません。こだわっているのは「何を使っているか」ということと、「使っているものを“見せる化(注意:“見える化”ではない<参考記事 https://goo.gl/XqSBPZ　>)”」していかに尽きます。
化学的に合成された農薬や自然界に普通に存在する農薬登録資材を使っていないことをして『無農薬』なんぞと堂々と表示してあったり、“減農薬”や“有機無農薬”とかの表示をされるよりは、農薬を使用している野菜の方が安心して食すことができます。(安全と安心は異なります)。

　ということで売場を見ると、出荷野菜はそろそろ高原野菜がピークを迎えるというのにチト寂しい状況。
とうもろこしは朝採りということですが、収穫後、常温で放置されていると見え、鮮度劣化が進んでいる様子。

とうもろこしについて過去、いろいろと研究していたのですが、品種のことや収穫時の成長具合のバラツキ、水分とたんぱく質のことはともかく、糖分に限っていうと、とうもろこしは20℃保管でさえ収穫後2日で糖度が2度程低下すると言われています。
また、過去に主流だったバンタム系の品種だと30度で24時間保存で糖度が半減したと言われています。これは糖分が収穫時4%だったものが収穫後の保管温度 30℃24時間で、糖分の4%のうち、1.3%がたんぱく質に変化し、さらに0.5%の糖分がとうもろこしの呼吸作用ににより減少する。すなわち、4%の糖分のうち、24時間経過後は1.8%減少して2.2%になるというデータがあります。
が、昨今の高糖度系の品種では糖分が7～11%と高く、収穫後24時間経過後には2%減少したとしても、まだ5%～9%も糖分が残っています。よって、糖度が半減するというのは昔のことですので引用には注意が必要。
また、収穫後1℃まで品温を下げて(予冷)、低温流通&販売(コールドチェーン)されると糖度の減少はわずかに押さえられます。つまり採りたての味が1日経過後も味わうことができます。
保管や陳列の仕方についても差がでます。とうもろこしを横に寝かせて20℃で保管すると、1日で糖分が3%減少し、2日で4%減少します。対して、縦置きにすると1日の減少分は1.5%で、2日でも2.5%の減少というデータもあります。
要するに、産地で朝採りされたものを常温で流通させて、尚且つ、常温で横に寝かせて陳列
してある直売所のとうもろこしを購入して、エアコンをかけているとはいえ、25℃程度の車内に放置して家に持ち帰り、その日の夜に食しても・・・・・・。ということになります。
さらに、収穫時の糖分とタンパク質の分量も・・・・。
もういい? (笑)

参考データはこちらの本から。
1.　日本の野菜　大久保増太郎氏著作　中公新書

2.　農産物の輸送と貯蔵のマニュアル　
流通システム研究センター

特に「日本の野菜」は超おすすめです。データは最新ではありませんが、考え方と野菜の変化をデータで理解することができます。その他『食彩品館.jp　流通業に関する書籍一覧』
　

★購入商品
・ミニトマトと木イチゴ（佐久市）